予備試験とか

30歳までに弁護士になって岐阜帰還することを目指しています。地方自治、法と言語に興味があります。

刑事法の気になった文献メモ

今村暢好(2020)「許認可行為と行政刑法」『行政刑法論序説』 古田佑紀(1986)「条例における罰則の適用範囲」判タ37(38) なお、高松高判S61.12.2 村岡啓一(2001)「証拠構造の解析方法 チャートメソッドのすすめ」刑事弁護 (27) 川出敏裕(2002)「挙証責任と推…

UNIT 16 一部請求

重要論点 Q1 1)将来の介護費用は、現実の余命が分からなかったり、政策やマクロの賃金変動の波及などの要因で、Xが立証できた将来の介護費用から乖離する可能性がある。そこで、Yが残債務又は一定額以上の債務の不存在の確認を求める反訴を提起しないのであ…

UNIT 13 立証活動

重要論点 Q1 1)Xが証明責任を負う、会社法423条にもとづく損害賠償請求の請求原因となる事実は、1.Yの取締役としての判断決定による行為であること。本件でいえば、Yが取締役であり、その業務としての指示または監督により本件取引が行われたこと。2.任務懈…

UNIT 9 弁論主義・自白

重要論点 Q1 1) 2)自己に不利益なある主要事実を認めるとか争わないという旨の陳述をしたとき、私的自治を根拠とする弁論主義第二テーゼの適用により審判排除効が生じると解されている。そこで、所有権の来歴についてYがAのもと所有を認めたとき、所有権も…

11.横領、背任

第一事件平成27年1月25日、取締役Aが会社の裏金口座からセブン・ステップの口座宛てに10万円を振込送金させた行為 本件裏金口座はA個人の名義の口座であることから、業務上横領罪が成立するか、会社法上の特別背任罪が成立するかが問題となる。両罪ともに…

H17司法試験 憲法 第1問

1.本件規制は憲法22条1項が保障する職業選択の自由を制約する。 免許の要件が、例えば研修の受講のような本人の意思や努力次第で充足し得る要件だった場合、免許制を採ることは憲法22条1項に違反しないか。また、酩酊者に酒類をさらに提供することを免許の取…

R1 予備試験行政法 設問2

A県屋外広告物条例は、屋外広告物法による委任条例であって、一般に再委任は細目的な事項についてのみ許される。再委任を行うとしても、条例上、不確定概念で要件を定めた場合に、規則によって当該不確定概念の解釈を明確にする程度の細目的な事項の委任にと…

R1司法試験 憲法

法6条及び25条 法6条は「公共の利害に関する」という不確定概念を用い、25条により犯罪の構成要件の一部となっているところ、その意味が漠然としていて、犯罪となるべき行為が明確に告知されることを要求する憲法31条に違反するのではないか、表現活動に萎縮…

5.過失犯、因果関係

Bの行為 Vが死亡する結果が生じており、Bに過失が認められるならば、それが自動車運転上のものであることは明らかである。そこで、Bに「必要な注意を怠」ったこと、すなわち過失が認められ、死亡との因果関係も認められて、自動車の運転により人を死傷させる…

13.治療行為と傷害罪、文書偽造罪と名義人の承諾

傷害罪 文書偽造罪(刑法159条1項) 診断書は「事実の証明に関する文書」に当たるか。広く社会生活に交渉を有する文書をいうとする説と、文書偽造罪の保護法益はあくまで文書に対する公共の信用だから、社会生活における重要な事実について証拠となる文書に限…

3.抽象的事実の錯誤、共謀共同正犯

Bの罪責(4,6) Bは10月10日夜、殺意をもって、Xを狙い拳銃の引き金を引いたが、Xを死亡させなかった(4)。そこで、殺人未遂罪が成立するかが問題となる。 違法性の本質は結果無価値にあるから、殺人の実行の着手があったといえるかは、行為時に存在したすべて…

6.正当防衛、過剰防衛

Aの罪責 殺人罪、殺人未遂罪 Yに死亡の結果が生じたから、まず、Aの行為が殺人罪に該当するかが問題となる。しかし、Aが特殊警棒でYの頭部を強打した行為とYの死亡との因果関係は明らかでないから、殺人罪に該当しない。そこで殺人未遂罪が成立するかが問題…

1.不真正不作為犯、不作為犯と共犯

Aの罪責 Vに死の結果が生じているから、Aに殺人罪が成立するかが問題となる。 Vが転倒してから午後6時30分までに119番通報をしなかった不作為が殺人罪の実行行為に当たるか*1。殺人罪の実行行為というには、刑法上の作為義務に違反したことと作為を強制する…

第20章 検察官面前調書

1.Vは「国外にいる」から「公判準備若しくは公判期日において供述することができない」と直ちに認められる。よって、刑訴法321条1項2号により証拠として採用できる。 もっとも、憲法37条2項は検察側提出の供述証拠を吟味する権利を被告人に保障していると解…

第19章 伝聞証拠の概念と同意

重要論点 設問についての問い 1.共謀が要証事実であれば、伝聞証拠に当たる。しかし、Aの証言の立証趣旨はナイフを突きつけたこととXの言葉があいまって反抗を抑圧するに足りるものであったことである。よって、伝聞証拠に当たらない。 2.日記帳の存在じたい…

非典型契約

旅行契約 「誌上法学講座 消費生活相談に役立つ旅行の法律知識」『国民生活』の「第三回 旅行契約の成立、手配債務」「第四回 旅程管理債務」「第五回 企画旅行契約における安全確保義務と特別補償責任」 http://www.kokusen.go.jp/wko/data/bn-hhkouza.html…

家族法と会社法をはじめた

最近は担保物権(行き詰まり中)をお休みして、家族法と会社法をやっています。 家族法は、潮見『民法(全)』を『離婚判例ガイド』と『現代相続法』の遺産分割と手続のながれの部分(岡部喜代子)で補っています。相続法改正のときの法制審議会の議事録もパラパラ…

Ⅲ-11

(2)(a)乙土蔵にある美術工芸品及び材料がX所有であることを確認する。また、間接占有するYに命じて、所有者Xに占有移転するようBに対する指図をさせる。そこで、X所有をどのように主張立証するかが問題となる。 分析論によれば、前主Aと甲土蔵にある美術工芸…

H29司法試験 憲法

設問1 リプロダクティブ・ライツ 妊娠をするか否かは個人の生き方の根幹にかかわる決定であり、幸福追求権として憲法13条により保障された人権である。この法律(以下、「法」という。)の15条8号は、幸福追求権を侵害し違憲無効だから、Bに対する収容及び強制…

民訴初学者

最近は、時間が空くと『ライブ争点整理』(後から法教410号も)と『民事訴訟第一審手続の解説』を読んでいます。(『アクチュアル民事の訴訟』と『よくわかる民事裁判 平凡吉訴訟日記』はもう読みました。) 穴があくまで読めば、民訴の基礎知識はなんとかなるだ…

H27司法試験 憲法

設問1(1) (公務員関係は公法関係ではあるが、A市と公務に就任する者との合意にもとづき成立するのであって、とりわけすべての公務員が任用により公務員関係にはいる現行の公務員法制の下では、公務員関係に私法の適用を排除する理由はない。*1正式採用拒否行…

H25司法試験 憲法

デモ行進不許可処分 A側:デモ行進は、表現の自由として保障される。表現の自由は、自己実現の価値を有し、政治的言論であれば民主的政治過程において自己統治の価値も有する点で極めて重要な権利である。また、道路は伝統的に表現活動と結びついている公共用…

H28予備試験 憲法

良心の自由 憲法19条が良心の自由として保障するのは、人の人格の核心にかかわる精神活動について公権力から介入されないことであると解すべきである。あるカップルが法律婚を選択するかしないかは当人の生き方の根幹に関わる決定でありその人の人格の核心に…

第13章 訴因の変更

重要論点 設例についての問い 1.9月16日午前6時45分ころ覚せい剤を所持したことと9月15日午後10時30分ころ覚せい剤を所持したこととは、両立する関係にあるから、公訴事実の同一性(刑訴法312条1項)の範囲外であって、訴因変更請求不許可決定をすべきである。…

Ⅲ-2

(1)譲渡担保について所有権的構成を採ると、消滅時効に伴う譲渡担保契約終了を請求原因として、債権的な登記請求をすることとなる。 担保権的構成を採ると、当初請求である物権的登記請求を、2005年5月12日完成した消滅時効(商法522条)と付従性による譲渡担…

Ⅰ-10

(1)(a)1993年9月1日に、Xを賃貸人、Yを賃借人として、賃料月額40万円の甲1及び甲2賃貸借契約(民法601条)が成立した。本件賃貸借契約に基づき甲1及び甲2がYに引渡されていた。本件賃貸借契約には毎月末日に翌月分の賃料を支払う旨の前払特約がある。1996年9月…

第24章 自白の信用性評価と補強法則

設例についての問い 1.2.刑訴法319条2項は、自白は過度に信用されやすい証拠であることを理由に、また、自白に偏重した捜査を防止するために定められた規定である。共犯者の自白は、責任転嫁や引っ張り込みのおそれがあり、ほかにも真犯人が真実の体験に嘘を…

第18章 証拠の関連性

設例についての問い (a)鉄道雑誌・鉄道模型雑誌1200冊の目録は、鉄道関係物品と鉄道模型が窃取された本件について、被告人は鉄道に興味があって犯行の動機があり、よって被告人の犯行であると推論させるものである。被告人が犯人である蓋然性を高め、かつ被…

第9章 捜査手段としての会話盗聴

設例についての問い 1.2.そもそも、刑訴法197条1項にいう「強制の処分」とは、単に被処分者の意思に反する捜査手段ではなく、そのなかでも、身体(憲法34条)、住居又は財産(憲法35条)若しくはこれらに匹敵する憲法的価値のある重要な利益を侵害する類型の捜査…

第6章 接見交通権と接見指定

設例についての問い 1. 2.刑訴法39条3項は、検察官は捜査のために必要があるときは接見指定をすることができる旨定めているところ、「捜査のために必要があるとき」の意義が問題となる。憲法34条は、国家による被疑者の身柄の拘束を認めたことと引換えに、弁…