予備試験とか

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Ⅱ-7

(1)(a)YとMは2003年3月、MがYのために甲建物を管理する寄託契約を締結している。そこで、Mは民法655条により準用された650条1項により、工事代金600万円は甲建物の保管に必要と認めるべき費用であったとしてその償還を請求することが考えられる。

(b)(ア)Yは反論として、通常の修繕費用はともかく、耐震壁に補強する費用及び高価な防犯ガラスにする費用は必要と認めるべき費用に当たらないと否認することが考えられる。

(a)Mは予備的に、民法697条1項に基づき、1.Yのためにする意思をもって、2.耐震壁の補強の費用と防犯ガラスの設置の費用という有益な費用を支出したこととその額を主張立証して、寄託契約に基づく費用の償還が認められなかった額を請求することが考えられる。

(b)(ア)Yは抗弁として、耐震壁や防犯ガラスの設置はYの意思に反することが明らかであると主張することが考えられるが、Mは工事前にYに連絡をとろうとしていたことからYの意思に反することが明らかとまでは認められない。

そこで予備的に、本件修繕はMY間の甲建物寄託契約上の善管注意義務に基づくものであって、事務管理は成立しないと主張することが考えられる。Mが義務なく事務を処理したことの主張立証責任を負わないのは、ないことの証明は困難であり、また、一方で契約に基づき事務処理費用を請求する者に、他方で予備的請求においては契約が成立していないことの証明を求めるのは不自然だからである。Mが義務がないことの主張責任を負うと解されるとしても、Yに義務の存在の証明責任を負わせるべきである。これを本件についてみると、割れたガラスの交換は寄託契約上の義務に基づくものであるから、防犯ガラスを用いることで追加の費用がかかったとしてもMの請求は認められない。他方で耐震壁の設置は寄託契約上の義務を超えており、義務を超えた場合も「義務なく」に当たるから、Mは費用を請求できる。

(2)(a)Yの無権代理人MとXとの2003年1月30日請負契約が成立し、2月5日YはMへのメールでMの無権代理行為を追認したとして、工事代金の支払いを請求することが考えられる。

(2)(a)Mが無資力の場合には、XはXY間請負契約が認められない場合にそなえて予備的に、甲建物に係る費用利得の不当利得返還請求として、工事の実費を請求することが考えられる。1.Xは修繕の費用を支出している。2.Mが無資力であり、かつ、YM間の寄託契約は無償であって本件修繕に関して対価関係がないことから、利得の保持に法律上の原因がないと認められる。費用利得の償還請求の効果は、支出額のうち利得者の主観的な財産計画に照らして価値を実現できる限度での返還であると解される。費用利得はいわば事務管理の弱められた形態であり、また、損失者から利得者への取引強制につながる危険性をはらんでいるからである。よって、工事の実費を立証しても必ずしも満額の請求が認められるとは限らないが、地震後で、しかも空き巣被害急増の事実及び甲建物の耐震補強が十分でなかった事実が認められ、Yに金銭的な余裕のある本件事情のもとでは、満額の請求を認めるべきである。

 

コメント ぜんぜん分からない。民法総合事例演習を解いた人は全員答案を晒してほしい。