予備試験とか

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H27司法試験 憲法

設問1(1)

(公務員関係は公法関係ではあるが、A市と公務に就任する者との合意にもとづき成立するのだから、私法の適用を排除する理由はない。正式採用拒否行為は、採用のときに留保していた解雇権を試用期間満了時に行使するものと解すべきである。)

正式採用拒否行為は、客観的に合理的な理由を欠き、又は社会通念上相当でないとき、裁量権を逸脱又は濫用した違法な行為であると解される。成績主義を採用するわが国の公務員法制の下では、A市には一方で勤務実績が優れた者の正式採用を拒否し、他方で勤務実績の劣った者を採用する余地はなく、Bの不採用は、客観的に合理的な理由を欠き裁量権を逸脱又は濫用した違法である。

同時に、合理的な理由のない別異取扱いであって、平等原則に違反し違法である。

(2)

客観的に合理的な理由の有無

正式採用拒否の客観的に合理的な理由には、Bの勤務実績のみならず、ひろくY対策課の職員としての適格性を含む。Y対策課の設置目的は採掘事業の安全性確保だけでなく、採掘事業の安全性に対する信頼を確保することも含み、Yの安全性に関する広報活動を業務に含む。BはY採掘事業に批判的な見解の持ち主であって、広報活動に不適格である。

社会通念上相当か

既に正式採用した者を分限免職する場合よりも、社会通念上相当であることは緩やかに肯定されるべきである。A市としてBに対し自らの見解を改めるように指導することが、Bの思想・信条の自由に介入することとなり許されない以上、正式採用を拒否することは社会通念上相当である。

設問2

A市は正式採用をするか否かを判断するに当たり、勤務成績を含めてひろく採用候補者の適格性を判断し、その理由とすることができる。広報活動には、Y採掘事業に関する客観的・中立的な情報の提供やY採掘事業に関して反対派を含む市民と関係者との相互理解を促すことなども含まれるから、BがY採掘事業に批判的な見解の持ち主だからといって、直ちにYが適格性に欠けると判断する理由にはならない。また、CのようなY対策課の業務を妨害するおそれも認められない。よって、勤務成績が相対的に優れているBの正式採用を拒否する合理的な理由はなく、正式採用拒否は平等原則に違反し国賠法上違法である。

 

表現の自由

Bのシンポジウムにおける発言は、自己実現の価値を有するのみならず、政治的言論としての性格を有する点で民主的政治過程における自己統治の価値を有する。もし、採用前におけるY採掘事業に関する政治的言論を理由にB市が採用を拒否することができるとすれば、B市の職員を目指している者に対して萎縮効果が生じる。よって、本件正式採用拒否は表現の自由の制約である。本件はB採掘事業に反対するという特定の見解を理由とする採用拒否であって、特定の見解を思想の自由市場から排除することにつながるから、やむにやまれぬ不可欠な公共的利益のための制約でなければ許されない。本件正式採用拒否についてそのような事情はないから、表現の自由の侵害であって、国賠法上違法である。