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第19章 伝聞証拠の概念と同意

設問についての問い

1.共謀が要証事実であれば、伝聞証拠に当たる。しかし、Aの証言の立証趣旨はナイフを突きつけたこととXの言葉があいまって反抗を抑圧するに足りるものであったことである。よって、伝聞証拠に当たらない。

2.日記帳の存在じたいは犯罪事実の証明にとって無意味であって、不適切である。

3.裁判所による要証事実の認定は、被告人に対する不意打ち防止という適正手続の見地から、立証趣旨に拘束される(憲法31条)。そこでまず、検察官の立証趣旨にいう「被害の状況」の意味が問題になるが「本当に生命を奪われたり身体に重大な危険が及ぶかもしれない」とAが思い、反抗が抑圧されていたことであると考えられる。そうすると、Aが日記を書きながら怖いと感じていたことを要証事実と認めることはできないから、証拠として採用できない。

(自由心証主義を根拠に立証趣旨の拘束力を否定した場合も、結論は同じ)

4.X自身が書いたメモであれば、事実ではなくXの意思を述べたものであって、供述に当たらないから、証拠として採用できる。

Yが書いたメモであれば、Yが犯行計画をXに提出しXが了承したなど謀議行為の手段そのものと認められる特段の事情があれば証拠として採用できるが、Yの単なる覚書であって証拠として採用できない。

5.

6.公判廷外での録音録画は反対尋問の機会がないから伝聞証拠に当たるとする見解がある。しかし、伝聞とは事実の存否を伝える言語的表現をいうところ、DVDは言語的表現ではない。また、実質的に考えても、編集やカメラの設置位置には人為を介するが、機械的に記録され記憶・叙述の過程には誤りが混入するおそれがない。よって、伝聞証拠には当たらないと考えられる。

もっとも、公判廷外での取調べの録音録画は、直接主義の潜脱や恣意的な編集・カメラ位置の決定の危険があるから、刑訴法198条4項及び5項を類推適用して、被告人の同意がなければ証拠として採用できないと解すべきである。よって、包括代理権を有するXの弁護人が不同意の意見を述べた本件では証拠として採用できない。

7.検察官が立証趣旨を心理状態である意思の連絡とすることで証拠として採用できる。

8.本件ではXが犯行への関与じたいを否認しているから、裁判所としては、弁護人が同意した場合であっても、弁護人の同意がXの合理的意思に反しないか慎重に判断すべきであり、そのために必要に応じて刑訴法311条2項又は3項により被告人に質問すべきである。