予備試験とか

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R1予備試験 憲法

B教徒に対して代替措置を講じた場合、憲法20条3項が定める政教分離原則に違反するか。代替措置を講じることが、B教を援助・助長・促進し、宗教とのかかわりあいをもたらし、憲法20条3項違反に当たるとまでいえるかは、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的をふまえて判断すべきである。代替措置を講じたとしてもB教徒の信教の自由(憲法20条1項)に対する配慮であって、援助・助長・促進には当たらないから、憲法20条3項に違反しない。

 

代替措置を講じなかったことは信教の自由との関係でどのような問題があるか。Xが水泳受講を拒否した理由は、B教の戒律に従うためである。Xが水泳受講を拒否する行為は、内心における信仰そのものではないが、信仰の核心部分と密接に関連する真摯な行為であるから、憲法20条1項により信教の自由として保障される。

確かに、法規命令である学習指導要領で水泳が必修とされたからといって、教員が水泳を教える義務を負うことはあっても、Xら生徒が意に反して水泳の授業に参加することを義務付けられるわけではない。しかし、成績評価上の不利益を避けようとすれば、水泳の受講という自己の信仰上の教義に反する行動をとることとなる。成績評価が下がると、単に学校内部で用いられるだけでなく、内申書に記載されて外部に開示され、高校受験の合否判定の資料とされることでXに重大な社会生活上の不利益が生じ、水泳授業に参加することを強制するに等しい効果をもつ。実際に、水泳授業に参加するB教徒の女子生徒がいたことは、強制に等しい効果があったことを推認させる。よって、乙中学校教員らが水泳の代わりとなる実技の授業を実施し参加させるなどの代替措置を講じず、成績評価においても考慮をしなかったことは、信教の自由の侵害であって、憲法20条1項に反し違憲である。

これに対して、学習指導要領じたいは、信教の自由の制約を目的としたものではなく、水泳という世俗的な行為を対象としたものであるから、信教の自由を直接に制約するものではなく有効であり、教員らは法規命令である学習指導要領に従う義務があり、個別事情を考慮して学習指導要領から離脱した取扱いをする裁量はないから、代替措置を講じなかったとしても違憲違法ではないとする反論が考えられる。

仮にそうだとしても、教員らには成績評価の裁量がある。そこで、Xに対し保健体育の評定を「2」としたことが裁量権の逸脱濫用に当たらないかが問題となる。Xの不利益の重大性に応じて、学校運営にとって過度の負担とならず、学習指導要領が定める保健体育科の目標及び公教育が集団教育としてあげるべき成果と均衡を失しない範囲で、教員らはXの信教の自由に配慮すべきである。

レポート提出等による水泳の授業参加を認めると、成績評価に困難が生じる面はあるが、学校運営に支障が生じるほどではない。

確かに、レポート提出等による水泳の授業参加では、保健体育科の目標を実技に参加するのと同程度に到達することはできない。また、小規模校であり、かつB教徒が多い乙中学校において、レポート提出等による水泳の授業参加を認めると、あまりに少人数での水泳の実技となって、集団教育のもつ教育効果が大きく阻害される。 しかし、強制に等しい効果をもつ程度の重大な不利益を正当化するほど高度な必要性があるとは認められない。よって、水泳の授業不参加を理由にXに対し保健体育の評定を「2」としたことは、考慮すべき事項を考慮しておらず、又は考慮された事実に対する評価が明白に合理性を欠き、その結果、社会観念上著しく妥当性を欠き、違法である。

 

コメント

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この人の方が、最決H31.1.23(性同一性障害特例法合憲決定)鬼丸かおる・三浦守補足意見や、最判H23.5.30(君が代起立斉唱拒否事件最判)須藤正彦補足意見をうまく援用していて、よく書けてるかんじがする。