刑事実体法演習
第一事件平成27年1月25日、取締役Aが会社の裏金口座からセブン・ステップの口座宛てに10万円を振込送金させた行為 本件裏金口座はA個人の名義の口座であることから、業務上横領罪が成立するか、会社法上の特別背任罪が成立するかが問題となる。両罪ともに…
Bの行為 Vが死亡する結果が生じており、Bに過失が認められるならば、それが自動車運転上のものであることは明らかである。そこで、Bに「必要な注意を怠」ったこと、すなわち過失が認められ、死亡との因果関係も認められて、自動車の運転により人を死傷させる…
傷害罪 文書偽造罪(刑法159条1項) 診断書は「事実の証明に関する文書」に当たるか。広く社会生活に交渉を有する文書をいうとする説と、文書偽造罪の保護法益はあくまで文書に対する公共の信用だから、社会生活における重要な事実について証拠となる文書に限…
Bの罪責(4,6) Bは10月10日夜、殺意をもって、Xを狙い拳銃の引き金を引いたが、Xを死亡させなかった(4)。そこで、殺人未遂罪が成立するかが問題となる。 違法性の本質は結果無価値にあるから、殺人の実行の着手があったといえるかは、行為時に存在したすべて…
Aの罪責 殺人罪、殺人未遂罪 Yに死亡の結果が生じたから、まず、Aの行為が殺人罪に該当するかが問題となる。しかし、Aが特殊警棒でYの頭部を強打した行為とYの死亡との因果関係は明らかでないから、殺人罪に該当しない。そこで殺人未遂罪が成立するかが問題…
Aの罪責 Vに死の結果が生じているから、Aに殺人罪が成立するかが問題となる。 Vが転倒してから午後6時30分までに119番通報をしなかった不作為が殺人罪の実行行為に当たるか*1。殺人罪の実行行為というには、刑法上の作為義務に違反したことと作為を強制する…