予備試験とか

社会復帰を目指しています。

使っている予備校本

評判と試し読みで、以下の本を選んで使っています。

・民訴の肢別本

・趣旨規範H29年度版の刑事系(採点実感がのってる)

・工藤北斗の実況論文講義 刑事訴訟法 

民訴はまだまだ学説を覚える段階以前の状態です。あと、会社法の進捗がほとんどなくてまずいです。

不法行為法の基本書を買った

とりあえず、中古が格安で売っていた澤井裕『テキストブック事務管理・不当利得・不法行為 3版』を買いました。はじめから担保物権不法行為は基本書を買うと決めていたのですが、どれを買うべきか全く知識がないので戸惑っていました。

明らかによく引用されているのは、幾代徳本や森島だけど古過ぎるし、、、潮見『基本講義債権各論II』を買おうか、別の本か、と迷っていました。ただ、10年以上前の本なので、その後の判例や有力な学説をどうフォローするか。。。


民法弱者ですが、最近は債権法改正の資料のほかに消費者庁のウェブページもいろいろ使っています。

Ⅰ-9

(1)

Yは本件請負工事を予定された最後の工程まで一応終了し、目的物である住宅甲を完成させているが、住宅甲が本件請負契約の内容に適合しないのであれば、XはYに対して債務不履行を理由として追完の請求、損害賠償請求及び解除をすることができる。そこで、設問について検討すると、XとYは何度も切り返せば入庫できる車庫を設置することを合意し契約の内容となっているが、完成した車庫は自動車乙では入庫することができない。Xが自動車乙の大きさをYに伝えていたとすると、住宅甲は本件請負契約の内容に適合しない瑕疵がある。

これに反論して民法636条により債務不履行の責任を負わないと主張することが考えられる。この条にいう「指図」とは、知識の乏しい素人の単なる希望が「指図」に当たるとされて請負人が容易に責任を免れるのは妥当ではないことから、実質的に拘束力をもつものをいうと解される(京都地判H4年12月4日判時1413号78頁参照)。そこで、設問について検討すると、Xは建築についての知識に乏しいことから、私見ではXの述べた希望は「指図」に当たらず、この抗弁は認められない。もっとも、設問によれば、Xの希望は強く、「違反建築でも構わない」と述べたことからもそのことがうかがわれるから、より詳しい具体的な事情によってはYの抗弁が認められ、Xの636条但書きの再抗弁も認められないことも考えられる。

(a)

Xは、民法634条に基づく瑕疵の修補請求[民法559条を介して準用される改正民法562条に基づく追完請求]をすることが考えられる。Yは、抗弁として民法634条但書きに基づき[追完の履行不能]、瑕疵が重要でないことの評価根拠事実(車庫の瑕疵は建替えを要するような安全上の瑕疵でない。自動車乙より小さい軽自動車であれば入庫できる。)と過分の費用を要すること(請負代金1600万円だった住宅の修補に1200万円かかる)を主張立証する。

(b)

民法635条但書き[改正で削除]によれば、解除することができない。

(c)

債務不履行を理由とする損害賠償請求の要件は1.債権の発生原因事実(XとYは住宅甲工事請負契約を締結した) 2.当該債務の不履行(駐車場部分に契約に適合しない瑕疵がある状態で履行期である2004年5月31日が到来した)3.損害事実の発生及び損害事実(判例同旨の見解でいう損害項目に相当する)を金銭的に評価した額4.債務不履行と損害事実の因果関係5.損害事実が通常損害であると主張する場合には、損害事実が当該類型に属する契約の違反から類型的に生ずる自然の結果であること。特別損害であると主張する場合には、契約締結の際に両当事者(416条2項にいう「当事者」は、文理どおり両当事者をいうと解すべきである。)に知られていた特別な事情から生ずる自然の結果(言い換えれば予見可能性がある)であること。である。

なお、5.の通常損害の要件については不要とする見解があるので検討する。相当因果関係説によれば、5.の通常損害の要件は不要で、4.の要件において因果関係が相当であると判断されれば損害賠償請求が認められるという。しかし、因果関係という事実的にとらえるべきものに「相当性」という法的価値判断はなじまないから採用できない。

3.損害事実として、駐車場に瑕疵のない建物を手に入れるには建替える以外ないことを主張して建替え費用を請求できるか。契約の目的を達成できなくてもなんらかの用途があれば収去しないことが社会経済的に好ましいとして、民法635条但書きの趣旨による抗弁により、建て替えるほかない場合以外は建替え費用を損害額として損害賠償を請求することができないと解される。[改正により民法635条は削除される。]これを設問についてみると、周辺の駐車場を年額18万円で借りることができ、これにより契約の重要な目的を達成することができるから、民法635条が削除される前後を問わず、建替え費用を請求することはできない。

3.損害事実として考えられるのは、駐車場に瑕疵があることによる住宅甲の価値の低下という財産的損害と、周辺の駐車場に自動車乙をとめる出費をしいられる財産的損害である。

次に、この二つの損害事実が5.通常損害又は契約締結時両当事者が予見できた特別損害に当たるかを検討する。瑕疵による建物の価値、本件でいえば住宅甲の価値の低下による財産的損害は、建物建築請負工事請負契約において類型的に生じる損害だから通常損害である。周辺の駐車場代は通常損害とは認められないが、XYの両当事者ともに自動車乙が駐車できなければ近所の駐車場が必要になることは予見できたとだから、契約締結時に予見可能性のある特別損害である。

よってXは、損害賠償を請求でき、駐車場が軽自動車であれば駐車できるため周辺の駐車場代にかかる費用ほど住宅甲の価値が低下していなかったとしても、周辺の駐車場代相当額を損害賠償請求することができる。

(2)(a)

甲の1階部分がおおむねできた段階で駐車場に瑕疵があることが分かり、Xが修補を請求した場合、瑕疵が重要でなく修補に過分の費用を要し、修補が履行不能であれば、Yの履行不能の抗弁により修補を請求することができない。

(b)

民法641条により注文者はいつでも理由なく契約を解除することができ、不当利得返還請求により支払済みの代金の返還を請求することができる。Yは抗弁として、契約の目的に照らして重要な瑕疵でないことを主張立証して解除権の発生を障害する。設問について検討すると、瑕疵があるのは駐車場部分のみなので、この抗弁は認められる。そうでなくても、注文者が受ける利益の割合に応じた報酬分の額を主張立証して返還を拒むことができる[改正民法634条2号]。また、技術的にみて工事を中止できないときは、その工程を終えるまで信義則により解除権の行使を阻止することができる。

 

コメント (1)(c)の通常損害と特別損害のところは 講義ノート 松岡久和債権総論レジュメ第7回を参考にしました。Materials欄の最判H14.9.24判時1801号77頁と東京地判H3.6.14は削除される民法635条により代償請求が制限されるか否かの裁判例でした。別の利用方法を見つけることは容易でない場合もあり注文者にとって過大な負担となることを理由に削除され「この問題を個別の契約に委ねる」ようです。

Ⅰ-7

(1)(a)

Xは、Zが過失によりO-157の付着した生のサラダを提供した行為により、Gが生命を侵害され、死亡までの医療費、生きていたら得られた逸失利益及び死亡する苦痛の損害が生じたことと損害額を主張立証して、Gから相続した損害賠償請求権を行使する。また、Xは自らの損害として、看護等に要した交通費や葬式費用及び子Gの死亡による苦痛の損害が生じたことと損害額を主張立証して、損害賠償を請求する(幾代(徳本補訂)1993『不法行為法』p.247, 『事例から民法を考える』「18」p.310)。

ここで、Zに過失があったかが問題となる。過失とは予見可能性を前提とした結果回避義務違反をいうところ、1996年7月12日より以前の5月末から他府県でO-157による集団食中毒が何度か発生していたこと、当時の新聞報道によれば食肉類からの感染が多いが実際にどのような食物にひそんでいるかよく分からないとされていたことから、生のサラダの提供によるGの死亡について予見可能性があったことは認められる。

過失とは行為時の基準に照らして合理的な行動をとる義務に違反することであり、結果回避義務にのっとった合理的な行動は、多くの場合標準的な行為と一致し、その中から規範的に不適切な慣行を排除したものである(米村『医事法講義』p.112,113)。この点を検討すると、Zは食材の保管、搬送ならびに調理はいずれも必要な衛生基準を満たしている。また、O-157に関する報道をうけて調理師A,B,Cに加熱方法ならびに手洗い・消毒方法等を周知徹底しており、A,B,Cがこれを怠ったという事情もない。そこで、加熱調理せず生のサラダを給食用に提供したことじたいがO-157に関する報道がされていた当時において規範的に不適切な慣行であって、過失があると主張することが考えられる。給食を喫食する児童が、抵抗力の弱いことからすれば、給食には極めて高度な安全性が求められる。給食を喫食するか否かの自由がある点で、大阪地判堺支H11.9.10判タ1025号85頁と事案が異なるが、極めて高度な安全性が求められることを否定すべきではない。極めて高度な安全性が求められることもあわせて考えると、少なくとも1996年7月12日当時、夏季には生のサラダを提供すべきでなかった。Zは献立表を作る際Yの希望を聞いているが、この際に生のサラダを希望されていたとしても、単なる希望に過ぎず、Zは生のサラダを提供することを自ら決めたということができる。

よって、Zには過失があり、Xの請求は認められる。

 

(b)

製造物責任法3条に基づき損害賠償請求をすることができるか。

「製造物」とは製造又は加工された動産をいうところ、生のサラダが「加工」された動産に当たるかが問題となる。「加工」とは、物品に手を加えてその本質を維持しつつこれに新しい属性または価値を付加することをいい、野菜を洗浄してカットし、サラダにすることは「加工」に含まれると解される。

O-157が付着した「製造物」生のサラダは通常有すべき安全性を欠き「欠陥」があり、Gの生命が侵害されており、欠陥と生命侵害には因果関係があり、(1)(a)第一段落の損害が生じている。

よって、製造物責任法3条に基づき損害賠償請求をすることができる。

 

(2)(a)

一般的に、契約上の給付義務を履行するにあたっては、債権者の生命・身体・財産等を侵害しないように注意して行動する義務(保護義務)を負う。Yが給食業務を委託することについて了解した保護者会にXは含まれないから、民法105条の類推適用を肯定する見解に立っても、民法105条(民法改正で削られる)の類推適用により保護義務が業者Zの選任及び監督に限定されることはない。自ら他人による債務の履行を選んだXは、保護義務違反の債務不履行の責任を負う。

 

コメント 窪田「要件事実から考える安全配慮義務の法的性質」を読めばなんとかなるんでしょうか。O-157の事件の判決文はネットでみれました。学校給食ニュース: O-157による死亡、堺市に賠償命令 過失の推定もいまいち分かりません。

Ⅰ-6

(1)(a)

Xは、Yから2億円でロイド船級規格の試験・検査を受けて合格した乙を買ったことと、Yが代金を4億円に値上げすることを要求しており乙を市場から調達して引渡す債務の履行を確定的に拒絶する意思を示していると認められることと、これと因果関係のある損害が生じたこと、損害額とを主張立証して、債務の履行に代わる損害賠償を請求する(415条)。

(b)

これに対してYは、理由付否認としてF社のディーゼル機関の製造が火災によりストップするという事情はX,Yともに契約締結時には予見しておらず、この場合に乙を調達する義務は、合理的な意思の解釈として代金額が値上げされた場合にのみ生じるか、そもそも調達義務は契約の内容となっていないと反論することが考えられる。合理的な意思の解釈によるべきという反論は、設問の火災のように「契約当事者の意思や評価とは関係ないところで生じた事態の変更に伴う危険の分配の問題(潮見『債権総論Ⅰ』p.222)」では合理的な意思の探求をする余地がないから採用できない。設問のような場合の調達義務は契約の内容となっていないとする反論は、Yが契約締結時にXに対して示した積算根拠等によっては具体的事情の下で成功することもあり得るが、設問からはそのような事情は明らかでないから採用できない。

Yは事情変更の法理による抗弁として、契約締結の際に前提とされたF社主力工場が通常通り操業しており乙を平常通り調達できるという事情が、火災によりX,Yの予想を超えて著しく変化し、実費が4億円まで上がり代金額の合意を形式的に維持することが一方当事者Yにとって著しく不公平になったからXにはYと乙売買契約について再交渉する信義則上の義務があること、Xは実費までの値上げに応じられないとして態度をかえず再交渉義務に違反したことを主張立証して、乙売買契約を解除する意思表示をすることが考えられる。しかし、工場の火災はX,Yの予想を著しく超えるとまでは認められないから、Yの抗弁は認められない。

(c)

Yは2004年3月10日の残金1億円の支払いをうけるのに先立つ2003年12月1日乙を引渡すことを合意しているから同時履行の抗弁権はないが、抗弁として、Xの信用不安とXの1億円支払いを期待できないことを主張立証して、合意には反するが信義則に基づく履行拒絶であったとして、債務不履行の主張に反論することが考えられる。しかし、Xの信用不安は造船業界の不況という一般的な事情か、うわさに基づくものに過ぎないから、Yによる信用不安の主張は認められない。なお、仮に認められるとしても、H所有の工場に根抵当権を設定する申し出をしており、これが十分な担保であれば再抗弁となる。

Xの債務履行に代わる損害賠償請求は認められる。

 

(2)

次に、どれだけの損害の賠償を請求できるかが問題となる。(以下略)

 

コメント 潮見説を引用したところは、吉政説に対する反論のつもりです。

Ⅰ-4

(1)(a)(ア)

Xは、500万円で冷凍近江牛1トンを買ったことを主張立証して、Yに対して引渡しを請求する。代金額がいくらかは本件の争点ではないが、代金は売買契約の要素(民法555条)だから代金額も主張すべきである。なお、条件や期限は、停止条件であれば契約に基づく履行請求の効力の発生を障害し、履行期限であれば履行請求権の行使を阻止するものとして、抗弁になるから、Xが主張立証する必要はない。

(イ)

Yは、代金支払い債務が履行されていないことを主張立証して、同時履行の抗弁権(民法533条本文)を主張することができる。Xは、再抗弁として決済条件を「引渡日の翌月10日」とする特約が付されているから代金支払い債務は弁済期にない(民法533条但書き)ことを主張立証する。Xの再抗弁は認められる。

(ウ)

Yの売買契約に基づく債務は、冷凍近江牛1トンを調達しXに引渡す種類債権であり、Y所有の冷凍近江牛1トンが腐敗したとしても債務が履行不能となることはない。しかし、この売買契約に基づく債務が、Yが物の給付をするのに必要な行為を完了(民法401条2項)するに至り、債権の目的物として特定された甲を引渡す債務になっていたとすれば、甲が滅失した場合には履行不能の抗弁が認められる。

そこで設問を検討すると、本件売買契約は引渡場所を「X会社第一倉庫」とする持参債務であり、持参債務の場合「物の給付をするのに必要な行為を完了」したといえるには現実の提供がされることは必要であるが、冷凍近江牛1トンがX会社第一倉庫に持ち込まれたことはない。したがって、Yによる甲の滅失を理由とする履行不能の抗弁は認められない。

(エ)

XはYに対して、本件売買契約に基づく義務として、6月末日の10日前までに6月末日までの日付で引渡日を指定する協力義務と、6月末日までに冷凍近江牛1トンを受領する義務を負うか。Yの電話での確認に対してXの担当者が「遅くとも6月末までに牛肉が必要であることはたしかなので、その10日前までには指定できるだろうと思う」と述べたことは本件売買契約の内容となっているといえるから、設問の事情の下では協力義務・受領義務ともに認められるというべきである。

Yが協力義務違反を理由として本件売買契約を解除できるとすると、解除によりXの請求を拒絶することができる。そこで設問について検討すると、Xは6月18日に引渡日の指定を催告している。この催告のときに期間の定め(民法541条)をしていないが、そのような催告も無効ではなく客観的にみて相当な期間が経過すれば解除権が発生すると解されるところ、7月末日に客観的にみて相当な期間が経過しており、本件売買契約の解除の意思表示をして冷凍近江牛1トン引渡し債務の履行を拒絶する。これに対して、Xは再抗弁として、解除前の8月1日に引渡日を指定したことを主張立証して、解除権を消滅させる。

Yは受領義務違反を理由として本件売買契約を解除することができるか。前述のように催告と客観的にみて相当な期間の経過とを認めることができるから、解除の意思表示をして履行を拒絶することができる。8月10日以前に解除の意思表示をすれば、Xによる受領義務履行の口頭の提供によって、解除権が消滅することはない。

 

(b)

YがXによる引渡請求に応じなかったものとして検討する。

Xは、本件売買契約の成立と、8月11日に冷凍近江牛1トン引渡し債務の履行期が到来したことに加えて、履行期の到来をYが知ったこと、損害の発生と額、不履行と損害の因果関係を主張立証して、冷凍近江牛1トンの引渡しの遅延賠償を請求することができる(改正後民法412条2項、415条1項)。また、Yは引渡債務の履行を拒絶しているから、本件売買契約を解除することにして、填補賠償を請求することもできる(改正後民法415条2項2号)。Yは8月10日以前に契約を解除すれば、債務不履行の責任を免れることができる。

 

(2)(a)(ア)

Yは、500万円で冷凍近江牛1トンを売ったことを主張立証して、Xに対して売買契約に基づき500万円の代金の支払いを請求することができる。

抗弁として、決済条件を引渡日の翌月10日とする停止条件の特約が付されていることをXが主張立証することが考えられる。これに対してYは、8月10日には支払期限が到来する不確定期限であると理由付否認をすることが考えられるが、私見では、停止条件とするのが明示的な合意であるし、牛肉を売却してYが得た収益を買掛債務の弁済に充てることが考えられるから停止条件と解することが通常想定しがたい(最判H22.10.14集民235号21頁参照)というべき事情もないから、Xのこの抗弁は認められる。

Xによる前述の抗弁が認められなかった場合、Xは牛肉甲が腐敗したことを理由に請求を拒絶できるか。双務契約の相対立する債務は、牽連性(この場面では存続上の牽連性)があり、一方の債務が履行不能となると他方の債務が消滅すると解する見解がある。しかし、反対債務が存続するか否かは契約を解除したか否かの問題であって、債務者の意思に委ねられていると解すべきである(改正後民法542条1項1号はこの見解を採る)。XはYの冷凍牛肉1トンを引渡す債務の履行を拒絶する意思が明確であること又は履行不能を理由として本件売買契約を解除することができる(改正後民法542条1項3号)。改正後の民法が適用される事件であったならば、Yは改正後民法567条2項に基づく再抗弁として、Xが受領の日時を指定しなかったため現実の提供ができず、6月20日に運送業者Aに甲を引渡して弁済の準備をし、Xにその旨を伝えて日時指定して受領することを促すことで口頭の提供をしたこと(民法493条)と、Aが冷蔵設備の故障により甲を腐敗させたことは本件契約の趣旨に照らしてXに帰責事由がないこととを主張立証して解除できなくする。このうち、契約の趣旨に照らしてXに帰責事由がないと認められるかが問題となる。AはXが冷凍近江牛を引渡す債務の履行過程に投入したいわゆる履行補助者であるが、履行補助者の故意・過失が当然にXの故意・過失と同視されることはない。契約の趣旨に照らして、受領遅滞の効果(民法413条)として軽減された注意義務である「自己の財産に対するのと同一の注意」をしたといえるかが問題となる。Xは冷蔵用倉庫をもつAに甲の保管を依頼しており、設問上Xにそれ以上の行為が求められるべき事情は特にない。よって、Xに帰責事由は認められない。結局、改正後の民法が適用されると、決済条件を不確定期限と解すればXの請求が認められることとなる。

もっとも、Yは、 冷凍近江牛1トンを引渡す債務も履行期が到来していることを理由として同時履行の抗弁権を主張することができる。この場合は引換給付判決がでる。

 

 

コメント 受領義務・協力義務の論証が書けませんでした。信義則上の受領義務を認めた最判が事例判決であることを意識して、申し訳程度に「「設問の事情のもとでは」協力義務・受領義務ともに認められる」というふうに付け加えました。債権法改正前に合格する自信がないので、改正後の民法だとどうなるか考えました。ほかにも色々自信がないです。協力義務の裁判例を東京地判H16.3.10国保組合事件ぐらいしか知らないのですが、他にどういう有名な裁判例があるのでしょうか?

Ⅱ-3

(1)

ブロックダイアグラムをつくって終わりの問題ですね。

 

(2)

民法194条に基づく代償請求の期待権及び代償の提供があるまでの使用収益権が侵害されたと主張して、不法行為に基づく損害賠償請求をする。期待権侵害の事例なので、侵害行為の悪性(故意)を指摘する。