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法規命令の法的統制

根拠

憲法41条、73条6号:憲法41条は戦前の学説の影響を受けて、侵害留保説をとりいれた解釈がされている。

罰則について憲法73条6号但し書き、罪刑法定主義:「特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない」(罪刑法定主義について、明治憲法23条が明文の規定を置いていたのと異なり、憲法31条は、コモンロー上の犯罪の制度を有するアメリカ法の影響を受けてか、明文で定めていないが、憲法31条が罪刑法定主義の根拠として解釈されている。)罪刑法定主義は自由を保障する意義を含んでいる。

課税要件について憲法84条:課税の公平を確保する意義を含んでいる*1

 

白紙委任の禁止(立法側の限界)

手続的な事項、技術的な事項、時機に応じて臨機に措置しなければならないことが予想されるような事項などについては個別具体的に命令に委任することができる(政府見解)。「時機に応じて臨機に措置しなければならないことが予想されるような事項」であることを理由とした法律による委任がかなりゆるやかな基準で認められることが確立しているが、これは、政令への委任を広く行っている金融機関再建整備法の制定の際に、ハッシーらアメリカ側の「政令の濫用」に対する批判に対して法制局の井手成三が示した「ポツダム緊急勅令に比べれば授権の範囲は狭い」「緊急の必要がある」という論拠に由来する*2

罰則については、法律で刑種と法定刑の最高限度を定めなければならなず、明治二三年法律第八四号のような一般的委任は許されない。法制執務研究会編 2007『新訂 ワークブック法制執務』はさらに、委任命令によるほうが義務の内容、義務違反の可罰性の程度に応じた妥当な法定刑を定められて、かえって(筆者注 自由を保障する)憲法の(筆者注 罪刑法定主義の)趣旨に沿うことを要求する。

課税要件については、納税義務者、課税物件、課税標準、税率を定めなければならない。特殊関税は例外。

 

法律の定めを補充する委任命令の適法性(行政側の限界)

規制行政分野の判例として、  命令がする規制の程度・範囲からみて規制が強力な場合には、  法律の側で明確な授権がければ、その命令は違法であるとした事例。(ケンコーコム事件  最判 H25.1.11民集 67 巻 1号 1頁)あらたに課徴金による規制の対象となる行為の定めを告示(不公正な取引方法の一般指定)から法律に格上げした独禁法の規定ぶりも参照。

法人税法65条の概括的な委任に基づく命令について、確認的な規定を設けることはできるが、創設的な規定は設けられず、法律の規定の理論上も実務上も解釈に疑問がなかったことについて命令でこれに反する定めをすることは当然できないとした裁判例(大阪銘板事件 大阪高判S43.6.28 行集19 巻6 号1130 頁など、以下の法人税法施行令の限定列挙と例示列挙の書き分けも参考になる)

法人税法
第六十五条 第二款から前款まで(所得の金額の計算)に定めるもののほか、各事業年度の所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第百三十八条 この編において「国内源泉所得」とは、次に掲げるものをいう。
二 国内にある資産の運用又は保有により生ずる所得(所得税法第百六十一条第一項第八号 から第十一号まで及び第十三号から第十六号まで(国内源泉所得)に該当するものを除く。)
三 国内にある資産の譲渡により生ずる所得として政令で定めるもの
法人税法施行令
第百七十七条 次に掲げる資産の運用又は保有により生ずる所得(所得税法第百六十一条第一項第八号 から第十一号 まで及び第十三号 から第十六号 まで(国内源泉所得)に該当するものを除く。)は、法第百三十八条第一項第二号 (国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得に含まれるものとする。 (以下略)
第百七十八条 法第百三十八条第一項第三号 (国内源泉所得)に規定する政令で定める所得は、次に掲げる所得とする。 (以下略)

*1:荒井勇1975『税法解釈の常識』p73

*2:出口雄一2017『戦後法制改革と占領管理体制』第六章p.304